倉本先生に名前を覚えてもらいたい

cap194

こんにちは。瀬尾卓也です。
暑いですね。
昨日一昨日と少し和らいだかと思いましたが、今日は暑いですね。
皆様、熱中症には呉々もお気をつけください。

さて、木曜日でございます。
僕が倉本先生への無限の思いを綴る日でございます。

僕が初めて参加した富良野グループの作品『歸國』の稽古時に、倉本先生が僕ら新人を自宅に招待してくれたことがありました。

天皇陛下も御来宅したことのある家です。

そりゃもう心臓バックバクですよ。

居間に通され、本棚にはあの名作の数々。

読みたくても手に入らなかったあの名作の数々!

欲しい…!欲しい…!!!

興奮した僕は知らず知らずの内にカメラを取り出し、撮影を始めようとしてました。

同居人の方に、「それはちょっと…。」と言われ我にかえる。

当たり前だ。

何をやってるんだ、この無礼者が。と自分を恥じる。

しかし、ここであの数々の名作が生まれたと考えると、やはり興奮が沸き上がってきます。

いたるところで足をぶつけます。

視界はゼロ。

テーブルに料理が並べられていきます。

「今日はお客さんなんだから座ってたらいいのよ」

と言ってくれますが、興奮しちゃって座ってなんかいられません。

無駄に立ったり座ったりしてしまい、足腰が鍛えられたのは言うまでもありません。

ひとしきり子供のようにはしゃぎ終わった後、
ついに倉本先生登場です。

僕はその日、一つの大きな目的がありました。

それは、名前を覚えてもらうこと。

僕はなかなか名前を覚えて貰えず、

「旗持ち!」

とか、

「ラッパ兵!」

と呼ばれるだけでした。
想像に難くありません。

僕が旗を持ったラッパ兵の役だったのです。

なのでどうしても名前を覚えて貰いたい!

それが今回の目的でした。

先生が登場し、用意していた「せおたく」と書かれたガムテープを胸に貼り準備は万端。

そう、僕は先生に「せおたく」と呼ばれたいのです。

食事が始まります。

しかし、一向にガムテープの事には気づかない先生。

食事が続き、会話が弾みます

激しく後悔が襲います。

真面目な食事の会で、真面目な話をしている中、胸の真ん中にガムテープを貼っている男がいる。

恥ずかしくて何度もひっぺがしてやろうかと思いました。

しかし中にはそれに気づいてる人もいるので、今さら感は半端じゃありません。

そんな葛藤をしてる中、ついに先生が気付きます。

「ん、それは何だ?」

「あ、はい!先生にこう(せおたく)読んでもらいたくて、今日貼ってきました!」

「せ、お、たくか?」

「はい!」

「んー」

「(ゴクリ)」

「長いから、やだ」

「…!!!」

まさかこんな答が反ってくるとは思ってもみず。
そのまま食事会は終了。

僕の名前が覚えられるのは、その半年後の『マロース』の公演までお預けになったのでした。

つづく

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