夜想曲ーノクターン

frano

主宰の福島が富良野に行っているそうです。

富良野グループは今、夏の新作「夜想曲ーノクターン」の稽古の真っ最中です。
想像するに、とても熱い稽古が行われているに違いありません。

こんばんは。瀬尾卓也です。

さて、早いもので木曜日でございます。
僕が倉本先生の無限の思いを綴る日でございます。

今日は富良野グループの話を少ししたいと思います。

富良野グループは戦場です。

特に僕ら新人は、常に生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされています。

一度でもしくじってしまったら台詞をカット。気づいたらシーンから消えているなんてしょっちゅうです。

その度に腸煮えくり返り、「ふざけんなやあああ!!」なんて思うわけですから、精神的にけっこうきついたところがあります。

ですが逆を言えば、台詞のおこぼれに預かることもできます。

シーンの稽古中は先生からすぐに目につく所に陣取り、袖で待機している時は稽古が止まったらすぐに袖幕前(一歩で舞台上に出られる位置)まで移動します。

全ては

「誰かここで空いてる人いないか?」

という言葉を聞くためです。

その言葉が出たら即座に挙手。
「瀬尾、空いてます!」と反応します。

「ああ、瀬尾か。やってみろ」

「はい!」

やる。

「ダメ!!全然ダメなの!!一回外れて!」

「…はい」

という繰り返し。

それでも何とかして一つの台詞が手に入れる為に、いつでも動けるようにスタンバイしておきます。

別に僕が台詞を一つ言っただけで、作品が劇的に変わるわけでもないし、恐らく観ている方も気づかないと思います。

ですが僕は、先生の美しい台詞を吐きたいのです。

ただその為に、一つの台詞を虎視眈々と狙っているのです。

しかし。
そのチャンスはシーンが固まる前までです。

シーンが形になってくるとチャンスが途端に減ってきます。

でも僕はなんとかして足掻きます。

そこで最近、閃いたことがあります。

台本に書き込むのです。

どういうことか。

台詞は稽古中、毎日変わります。
稽古中というか本番入ってからもがんがん変わります。

しかし、先生の台本は販売されるので、本番前に締め切りがあり、各々台詞が変えられた箇所は、原本に書き換えていきます。

僕は台詞が少ない時は、ト書き(台詞以外の、状況を説明するもの)で文字数を稼ぐことを編み出したのです。

例えば。
“尻餅をつく”という演出をつけられた場合。

本来ト書きには 書かないものです。
書いたとしても、

男、尻餅をつく。

くらいなもの。
でも僕はそれを書き足します。

男、尻餅をつき、痛いという表情を浮かべながらも、周りを気にし、何事もなかったかのように、振る舞い、水を飲む。

というように。

もう原形ないじゃん

と思われた方、その通りです。

いいんです。
創造なんです。
これで台本に載ったら僕はとてもうれしいんです。

こうやって、僕は富良野グループで戦っているのです。

でも僕は、それが活字になったのを見たことがありません。

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