ご挨拶

このたび劇団東京イボンヌは再始動します。

長い長いトンネルを脱し、ようやく皆さまの下に新作をお運び出来るようになりました。
今、表現ができる喜びに震えております。

長く陰鬱な葛藤に苦しんだ時期もありましたが、全てを受け入れ、過去も未来も見据え、今を丁寧にしっかりやっていこうと思っています。

休んでいる最中、演劇が人間にとって本当に必要なものなのか考えていました。
というのも、現代資本主義社会において芸術というのは社会的に重要視されないからです。
経済循環にあるか否かが世の中の基準になる中、演劇というのは肩身の狭い思いをすることが多々あります。

しかし、本当に人間の生活にとって演劇や音楽はオマケなのでしょうか。
世の中に無いなら無いでどうにかなるものなのか。
演劇を大の大人が命をかけてやるのはおかしいことなのか、この二年間考え続けました。

人は誰しもこの世に生を受けて、いずれは死んでいく存在です。

その存在の不確かさに対して、何かしらの答えを出すのはお金ではないと思います。
お金は手段であり目的にはなり得ません。お金は生きる上で大事ですが人生の目的を教えてくれるものではありません。

自分がこの世に生を受けた理由、やがて死にゆく理由、その存在の不確かさゆえの不安・恐怖に対して、演劇は幾つかの問いを投げかける力があると思います。

つまり演劇の存在意義は、人が生きる理由を問うことだと思うのです。

これは作るほうも観るほうも同じです。

劇場は人生交差点です。
劇場に来るまでは全く考えもしなかったようなことを観劇後に少し考えるようになったり、次の日の生活が少しだけ変わったり、と何らかの変化をもたらしてくれるのが演劇の醍醐味だと思います。

だからこそ古今東西長い歴史を経て今日まで受け継がれているのでしょう。

つまり演劇は他の職業同様、社会で重要な役割を担っているのです。
それに気づいた時、演劇を死ぬまでやろうと腹が決まりました。

表現をしたいから表現をする、だけではなく、演劇を作ることで何かしらの形で社会に役に立てるイメージが湧いたのです。それが私を奮い立たせてくれました。

もう二度と演劇が出来ないのかもしれないと思ったこともありました。なのでこうして再始動のお知らせを出来ることを心より嬉しく思います。

復帰作、第1弾として
「モルディブの星、モルディブの月」
を来年1月に上演します。

登場人物を媒介に、皆さまと一緒に生きる理由を考えたいと思います。

劇場でお会いできることを楽しみにしております。

劇団東京イボンヌ
福島真也

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